日本食品科学工学会誌
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テーブルビート培養細胞由来赤色色素の食品への利用
秋田 徹日名 保彦西 豊行
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2002 年 49 巻 4 号 p. 238-244

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抄録

テーブルビート(Beta vulgaris L.)培養細胞より得られた色素の食品用色素としての利用の可能性を検討した.耐熱性と耐光性をテーブルビート根由来の色素と比較し,さらに食品への応用についても検討した.また,大量培養を含む培養細胞よる色素の安定的な生産についても検討した.
30lジャーファーメンターで培養した結果,フラスコレベルでの生産性に相当する赤色色素が得られた.培養細胞から得られた赤色色素は,耐熱性と耐光性に関してテーブルビート根由来の色素と同様の特性を示した.また,豚肉ソーセージと魚肉ソーセージへの応用例においても,培養細胞より得られた色素は,安定性や特性に関して根由来の色素と大きな差はなかった.
培養細胞由来の色素が根由来の色素と同等の性状を有していることから,食品への応用は可能であり,かつ,安定的な大規模生産が可能であることが示された.

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© 社団法人 日本食品科学工学会
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