日本食品科学工学会誌
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ヒト胃癌細胞におけるアズキ熱水抽出物によるアポトーシス誘導
伊藤 智広伊藤 裕子水谷 峰雄藤城 克久古市 幸生小宮 孝志樋廻 博重
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2002 年 49 巻 5 号 p. 339-344

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抄録

アズキ熱水抽出物(アズキ煮汁)の抗腫瘍活性及びその作用機構の一つであるアポトーシス誘導について検討を行った.
アズキ熱水抽出物をDIAION HP-20で処理した後,蒸留水,40%エタノール,60%エタノール,80%エタノールと順に溶出溶媒を切り換え,各溶出画分を得た.これらの溶出画分を用いてヒト胃癌細胞(KATO III cells)の形態学的変化,増殖抑制作用及びアポトーシス誘導により生じるDNAフラグメントの検出を行った.その結果,40%エタノール溶出画分に小球状のアポトーシス小体が観察され,さらにアポトーシス誘導により生じるDNAの断片化を示した.
また,40%エタノール溶出画分によるアポトーシス誘導についてDNA断片化の濃度及び培養時間依存性に関して検討した.その結果,アポトーシス誘導は濃度及び培養時間依存的であることが判明した.また,40%エタノール溶出画分によるヒト正常細胞に対する影響は観察されなかった.以上より,40%エタノール溶出物による抗腫瘍活性機構にはアポトーシス誘導が関与していることが示唆された.

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