日本食品科学工学会誌
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キウイフルーツ果汁のアクチニジン濃度およびプロテアーゼ活性の品種間差
西山 一朗大田 忠親
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2002 年 49 巻 6 号 p. 401-408

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抄録

キウイフルーツの品種による有効な利用法を検討するため,果汁中に含まれるアクチニジン濃度およびプロテアーゼ活性の品種間差に関する調査を行った.用いた13品種のうち,アボット.香緑,魁蜜および信山では,主要な経済栽培品種であるヘイワードと比較して,アクチージン濃度やプロテアーゼ活性が有意に高値を示した.そのためこれらの品種では,食肉軟化剤や酵素の供給源としての利用法が有効だと考えられた.一方,レインボーレッド,ホート16A,香粋の3品種の果汁では,プロテアーゼ活性がヘイワードの7%以下と,有意に低値を示し,また乳タンパク質や筋原線維タンパク質の加水分解作用も軽微であった.この結果より,プロテアーゼ活性の低いこれら3品種では,ヨーグルトなどの乳製品と混合したときに生じる苦味の発生が著しく低減されるものと期待された.

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