日本食品科学工学会誌
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すりゴマの物性に及ぼす粒度あるいは成分の影響
武田 珠美香西 みどり福田 靖子島田 淳子畑江 敬子
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2002 年 49 巻 7 号 p. 468-475

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抄録

すりゴマはさまざまな粒度と成分組成の粒子と遊離した油が混合した多分散系である.脱脂したすりゴマをふるい分けした粒度別画分,およびゴマの成分を除いた試料を用い,油を混合したモデルすりゴマを調製した.粒度,および成分組成の物性に及ぼす影響を調べた結果,以下のことがわかった.
53μm未満粒度別画分が磨砕に伴う軟化,付着度の増大,粘度の低下の主因と考えられた.軟化や付着度の増大には105μm画分,粘度の低下には53μm画分ついで105μm画分の30%程度までの混合が大きく関与した.53μm未満画分の約1/2を占めるタンパク質は油との相互作用が比較的小さく,付着性,および粘度の低下に寄与していることが推察された.一方,極性脂質,および糖などの水溶性成分は,粒子間の相互作用を強め,モデルすりゴマの付着性,および粘度を高めた.

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© 社団法人 日本食品科学工学会
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