日本食品科学工学会誌
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金時草(スイゼンジナ)色素抽出物のがん細胞アポトーシス誘導効果
林 美央岩下 恵子勝部 直美八巻 幸二小堀 真珠子
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2002 年 49 巻 8 号 p. 519-526

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抄録

金時草(スイゼンジナ)より調製した赤紫色素を含む熱水抽出物は,HL60ヒト白血病細胞の増殖抑制効果を示した.金時草熱水抽出画分をSepPakC18カラムで分画して得られた吸着画分は,アントシアニンを含み,熱水抽出画分より高いHL60細胞増殖抑制効果及びDPPHラジカル消去能を示した.既知のアントシアニジンであるperalgonidin, delphinidin及びmalvidin及びmalvidin 3-glucoside (oenin)がHL60細胞増殖抑制効果を示したため,金時草SepPakC18カラム吸着画分及びこれらのアントシアニジンのアポトーシス誘導効果を検討した結果,SepPakC18カラム吸着画分及びアントシアニジンは,HL60細胞において,アポトーシス小体の形成及びDNAの断片化を誘導し,アポトーシスを誘導することが明らかになった.金時草SepPakC18カラム吸着画分をSephadex LH20カラムで分画して得られた画分は,アントシアニン含量の高い画分においても,ポリフェノール含量が高くかつアントシアニン含量の低い画分においても,HL60細胞アポトーシス誘導効果が認められた.SepPakC18カラム吸着画分は金時草の持つ機能性を高く維持したまま,天然着色料として利用できる有用な画分であるといえる.

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