日本食品科学工学会誌
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生菌数及び大腸菌群数測定のためのシンプレート法の検討
荻原 博和古川 壮一山崎 眞狩
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2002 年 49 巻 8 号 p. 527-533

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抄録

シンプレート法による生菌数と大腸菌群数の測定能について,供試菌株と食品を対象に従来法との比較検討を行った.
(1) シンプレート法による供試菌を用いた生菌数の検出では,従来法との差はみられなかった.加熱損傷菌と加圧損傷菌を対象にした結果では,従来法よりもシンプレート法の方がやや高い数値を示したが,両方法間に顕著な差は認められなかった.食品150検体を用いてシンプレート法と従来法について比較したところ相関係数r=0.93と高い相関が得られた.
(2) シンプレート法による供試菌を用いた大腸菌群数の検出では,従来法との差はみられなかった.加熱損傷菌と加圧損傷菌を対象にした検出結果では,従来法よりもシンプレート法の方が高い数値を示すものが見受けられた.食品150検体についてシンプレート法と従来法について検討したところ相関係数r=0.91と高い数値が得られた.
以上の結果から,シンプレート法は生菌数および大腸菌群の迅速・簡便法として,自主検査に有効に使用できるものと考えられる.

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