日本食品科学工学会誌
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小麦粉生地のグルテンおよび澱粉に及ぼすポリグリセリンモノ脂肪酸エステルの影響
宮本 佳郎阪本 光宏前田 智子森田 尚文
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2002 年 49 巻 8 号 p. 534-539

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抄録

各種のPGMFEを用い,グリセリンの重合度や脂肪酸残基の違いがおよぼす生地中のグルテンや澱粉への影響を検討し,以下の結果を得た.
(1) PGMFEはグルテンに作用し,生地中の遊離脂質を増加させた.この現象はPGMFEのグリセリンの重合度に関係なく,脂肪酸残基の炭素数の減少に伴い遊離脂質量が増加する傾向が見られた.
(2) SEM観察では,PGMFEを添加した生地においてグルテン膜が太い繊維状の構造を示し,グルテン形成が改善される傾向が見られた.
(3) PGMFEの添加は澱粉との複合体形成能を促進した.また,PGMFEのグリセリンの重合度に関係なく,脂肪酸残基がミリスチン酸の場合で最も高い形成能を示し,炭素数の増減に伴い,その形成能は減少する傾向を示した.
(4) 更に,DSCの測定でも,PGMFEを添加した生地において澱粉-乳化剤複合体に由来するピークが増加する傾向が認められた.

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