日本食品科学工学会誌
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ポストカラム反応法を利用したハチミツ中の異性化糖分析
三島 敏平岩 呂子荒木 陽子
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2003 年 50 巻 2 号 p. 78-84

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抄録

様々な蜜源からのハチミツ54サンプル,中国産異性化糖9サンプルおよび国内産異性化糖2サンプルの糖分析をゲルろ過法とHPLC法との組み合わせ法(新法)で検討した.その結果,新法では従来のTLC法における(1)(1)分析に長時間を要すること(2)異性化糖の存在の判断が条件により異なりばらつくこと等の問題点を解決し,異性化糖添加ハチミツの検出に優れた評価手法であることが確認された.
従来法は,分析機関により判断結果が異なることがあり,さらに新法の結果が従来法の結果とも食い違いが認められる場合がある.即ち,新法においてハチミツ試料からのオリゴ糖を損失することなく前処理し,さらにポストカラムHPLC法にて高感度で検出されるため,従来法では無添加ハチミツとされていたものでも異性化糖添加ハチミツと判断される場合がある.新法は正確にかつ再現性良く異性化糖の混入を判断でき従来法を代替する極めて有用な手法として提案したい.

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