日本食品科学工学会誌
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新品種ピーマン「さらら」果実の成熟に伴うカロテノイド組成とカプサンチン含量の変化
鈴木 啓子森 眞弓
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2003 年 50 巻 7 号 p. 324-326

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抄録

成熟過程に伴う"さらら"のカロテノイド組成の変化には,次のような傾向が見られた.
(1) β-カロテンはすべての時期に存在した.
(2) 開花後2∼6週目には,β-カロテン,ルテインが見られ,その含量は,しだいに減少した.
(3) 開花後7週目には,ルテインがほぼ消失し,ゼアキサンチンとカプサンチンが急激に発現した.
(4) ゼアキサンチンとカプサンチンは,9週目まで増加し,10週目には減少した.
(5) β-カロテンとルテイン,β-カロテンとカプサンチンには,相関関係が認められ,β-カロテンが減少するとルテインも減少,β-カロテンが増加するとカプサンチンも増加するという傾向があった.そして,ルテイン,カプサンチンがβ-カロテンと共にさらら中に存在するときは,β-カロテン:ルテイン(1:4),β-カロテン:カプサンチン(1:10)と一定の割合で含まれていた.

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