日本食品科学工学会誌
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大豆ホエー熱可溶性タンパク質の凍結変性保護効果
門間 美千子
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2003 年 50 巻 9 号 p. 428-430

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抄録

大豆熱可溶性ホエー画分タンパク質をSDS-PAGE及び二次元電気泳動で分析したところ,26kDaデハイドリンが主要ポリペプチドであり,その他にプロテアーゼインヒビターやいくつかの未同定の成分が含まれることが明らかとなった.ホエー熱可溶性タンパク質画分の,乳酸脱水素酵素の凍結融解失活に対するCP50(残存活性を50%まで高めるのに必要な濃度)は15.8μg/mlで,水溶性タンパク質画分の約20倍の活性を示した.これらのことから,大豆水溶性タンパク質の簡便な加熱処理により,耐熱性タンパク質,特にデハイドリンが濃縮され,酵素凍結変性保護活性が高まることが示された.

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