日本食品科学工学会誌
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乾熱卵白添加中華麺において凍結保存が麺質に及ぼす影響
舘 和彦小川 宣子下山田 真渡邊 乾二加藤 宏治
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2004 年 51 巻 11 号 p. 565-571

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抄録

乾熱卵白を添加した中華麺を凍結処理した時の影響について官能試験による評価,力学物性値,麺糊化度より検討した.また走査型電子顕微鏡を用いて凍結中華麺の表面および断面構造を観察することにより,以下の結論を得た.
1) 官能試験の結果より,乾熱卵白を添加した中華麺は,凍結処理後でも噛みごたえ,弾力性,つるみ感,麺の伸長において無添加麺や乾燥卵白添加麺より高い評価となり,嗜好性に優れていることが示された.
2) 力学物性値より,乾熱卵白が凍結中華麺に及ぼす効果として,麺に弾力性を付与することと伸長を改善し切れにくくすることがわかった.また,破断応力の上昇を抑制する有意な効果がみられた.
3) 走査型電子顕微鏡による観察結果より,乾熱卵白を添加した凍結中華麺の表面構造は,無添加麺や乾燥卵白添加麺と比較して,隙間が狭く,滑らかな構造となっていた.また,断面構造は蛋白質からなる網目構造が多く,密なものであった.乾熱卵白は,網目構造の結びつきを促進させる効果を示すことがわかった.
4) 冷凍中華麺の糊化度測定より,乾熱卵白を添加した凍結中華麺は無添加麺や乾燥卵白添加麺より有意に糊化度が高く保たれており,乾熱卵白添加は澱粉の老化抑制に対して効果のあることが示された.

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