日本食品科学工学会誌
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あく抜き処理トチノキ種子のサポニン成分の化学構造と血糖値上昇抑制作用
木村 英人渡邉 あい地阪 光生山本 達之木村 靖夫勝部 拓矢横田 一成
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2004 年 51 巻 12 号 p. 672-679

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抄録

(1) 食品として使用されているあく抜き処理したトチノミには,乾燥固形重量あたり0.3%のサポニン類が含まれていた.
(2) あく抜き処理トチノミ中の主要なサポニンは,エスシン類のC22位のアセチル基が脱離した構造を持つ4種類の成分であった.
(3) あく抜き処理したトチノミより分離したサポニン画分を用いて,マウスを用いた糖負荷試験を行ったところ,300mg/kg添加群は,糖負荷後0.5時間と1時間でコントロールの0mg/kg群に比較して,有意に血糖値上昇の抑制作用を示した.
(4) 木灰液によるあく抜き処理の食用トチノミは,食品加工中に生成した新規の機能性食品因子を含むことを見い出した.

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© 社団法人 日本食品科学工学会
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