日本食品科学工学会誌
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高温高圧水によるオカラの処理および処理物の性状
原田 修脇田 義久吉田 和利大橋 智子桑田 実藤村 庄
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2004 年 51 巻 3 号 p. 149-154

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抄録

試作した装置でオカラを連続的に高温高圧水処理することができ,水だけで短時間に可溶成分を増加させることができた.可溶成分中にはタンパク質,セルロース,非セルロース系多糖類由来の成分が含まれているが,反応温度が上がるとヘミセルロース由来成分が増加することが分かった.高温高圧水処理したオカラには未処理オカラに比べ水溶性食物繊維が多く含まれ,290°Cで処理したオカラには未処理オカラに比べて約3倍含まれていた.反応残渣の吸水率は反応温度260°Cで極大を示して未処理オカラに比べ7.3倍で,オカラ独特のパサパサ感は認められなかった.このように,高温高圧水処理オカラは付加価値が付与され,食感が改善されたことから食材としての利用も容易になったと考えられる.

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© 社団法人 日本食品科学工学会
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