日本食品科学工学会誌
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パラチノース糖類加熱物の消臭効果と活性成分
桜井 孝治志村 進鵜澤 昌好
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2004 年 51 巻 4 号 p. 187-190

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抄録

食品素材としての消臭活性成分の探索において,パラチノース加熱物が高い消臭活性をもっていることを見出した.消臭活性は悪臭物質としてメチルメルカプタンを用いGCにおいてヘッドスペース法で評価した.糖類としてグルコース,フラクトース,スクロース,マルトース,パラチノースをそれぞれ加熱処理し,そのメチルメルカプタンに対する消臭活性を調べた.加熱処理を行っていない糖類は消臭活性を示さなかったが,加熱物は消臭活性を発現しその中でパラチノース加熱物が最も高かった.加熱条件(温度・時間)の検討では最適な組み合わせが存在することが示唆された.パラチノース加熱物中の消臭活性成分として5-[(α-D-glucopyranosyloxy)methyl]-2-furancarboxaldehydeと6-(α-D-glucopyranosyloxy)-1,3,4-trihydroxyhexa-5-en-2-oneを単離した.

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