2004 年 51 巻 6 号 p. 309-311
キムチから分離された漬物製造用乳酸菌Lactobacillus sakei HS-1の腸内到達性について,人工消化液耐性及び摂取回収試験によって検討した.ペプシンと塩酸で調整した人工胃液に対して,pH3.5以上で100%の生存を示した.胆汁末で調整した人工腸液に対する耐性はかなり強く,増殖阻害濃度は8.4%であった.HS-1の発酵物を摂取させたヒトの糞便からHS-1が分離された.これらのことから,摂取したHS-1の一部は生きたまま腸管へ達すると考えられた.