日大医学雑誌
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原著
ヒト変性椎間板に関するプロテオーム解析
間世田 優文山口 裕美黒田 和道三俣 昌子徳橋 泰明江角 眞理子
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2016 年 75 巻 1 号 p. 16-21

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抄録

椎間板変性の予防・治療に有効な分子を解明するために,ヒト椎間板のプロテオーム解析を試みた.腰椎変性すべり症6 例,腰椎椎間板ヘルニア7 例,未変性剖検症例5 例の椎間板を採取し,タンパク質抽出液を調製した.大半を占めるコラーゲンやプロテオグリカンを除去するために,フィルターによる100 kDa 以上の高分子除去を行い,LC-MS/MS を用いて検討した.ABIQSTAR によるLC-MS/MS を行い,3 群間の比較解析プロテオミクスを行った.腰椎変性すべり症には補体因子の活性化が,腰椎椎間板ヘルニアにはKeratin, type II cytoskeletal 3 が,両者共通にはTransthyretin などが病態に関連していることが示唆された.以上よりヒト椎間板組織のプロテオーム解析がLC-MS/MS を用いて行えることが示された.その結果,疾患に特徴的なタンパク質発現が明らかとなった.これらの分子の中から今後,予防や治療法の開発に役立つ標的分子が示唆された.

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© 2016 日本大学医学会
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