日大医学雑誌
Online ISSN : 1884-0779
Print ISSN : 0029-0424
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原著
心房細動に対する高周波アブレーション, クライオバルーンアブレーション及びホットバルーンアブレーションによる 肺静脈隔離が心臓自律神経に及ぼす影響
渡邉 隆太渡辺 一郎奥村 恭男永嶋 孝一高橋 啓子新井 将若松 雄治黒川 早矢香大久保 公恵中井 俊子平山 篤志磯 一貴國本 聡園田 和正 園田 和正戸坂 俊雅
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2019 年 78 巻 1 号 p. 33-39

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抄録

背景:心房細動 (AF) に対する高周波 (RF), cryoballoon (CB), hotballoon (HB) による肺静脈隔離 (PVI) が心臓自律神経活動に及ぼす効果を検討した. 対象及び方法:AF に対する RF (n = 18),CB (n = 31), HB (n = 16) による PVI 症例で PVI 前後に左房 (LA) 自律 神経叢 (GP) を刺激を施行し,迷走神経反射 (VR) の有無 を検討し,さらに,心拍数および心拍数変動を比較検討 した. 結果:RF-PVI 群,CB-PVI 群,HB-PVI 群で GP 刺激 による VR が 72%,73%,78%で消失した.術後の心 拍数は CB-PVI,HB-PVI 群で有意に増加したが,RFPVI 群では差を認めなかった.心拍数変動の高周波成分 (HF),低周波成分 (LF)/HF には各群とも PVI 前後で差を 認めなかった. 結語:PVI 後早期の心拍数変動は RF, CB, HB の3群 間で同等であったが,心拍数は CB, HB 群において有意 に増加した.PVI 後早期の心臓自律神経活動評価におい て,心拍数増加がバルーンを使用したアブレーションと カテーテルアブレーションとの違いであった.

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