社会学におけるフォーマライゼイションは社会学とそれを取りまく知の歴史においてどのような役割を担うのだろうか。本稿はフォーマライゼイションを志向する研究とその状況のいくつかの分岐点について、若干の整理を試みるものである。
理論とよばれるものを、法則的なものを含む、体系的に連関した立言の集合であり、対象について一貫した説明と予測をあたえることができ、累積的に発展することのできるようなものとするとき、数理と計量の両面でフォーマルな理論の実質的貢献がみられることを示す。しかしながら、方法的個人主義、歴史性、没価値性、そして分化と統合をめぐる抜きさしならないアポリアが存在することを指摘し、それらにたいする処方を検討する。