理論と方法
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原著論文
流行現象とベクトル型閾値モデル
松田 光司
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1996 年 11 巻 2 号 p. 113-128

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抄録

 本稿は、Granovetterによって集団行動のモデルとして提唱された『閾値モデル』をもとにして流行現象のみにおいてさらに詳しく考察し新モデルの発表を目的とするものである。まず、理論面で閾値の分布形態と流行現象の関係を調べた。その結果をふまえて閾値モデルの矛盾点を指摘する。そしてその矛盾点を解決する為に、従来のある時刻の流行の採用率のみを考慮に入れたモデルから採用率と時間を考慮に入れたベクトル型閾値モデルを考案した。また、その新モデルにもとづいた社会調査を行ない、その結果得られたデータを新モデルに適用した。そして、その調査対象ではどのような流行現象が起こるかについて考察した。その結果、閾値モデルでは、終局の採用率がほとんど初期値によらないのに対して新モデルでは終局の採用率が初期値によって変化するということがわかった。

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© 1996 数理社会学会
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