理論と方法
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Print ISSN : 0913-1442
研究ノート
オッズ比の変化をどう読むか
近藤 博之
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2001 年 16 巻 2 号 p. 245-252

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抄録

 社会移動の研究では相対的な移動率を測定する目的でオッズ比が用いられることが多い。とくに欧州の研究者たちは機会の不平等度を評価する指標としてオッズ比に高い信頼を置いている。しかし、その意味するところは自明ではない。とくに時間的な変化を検討する際に他の指標と矛盾する結果をおたらすことが多い。この論文では、まずイギリスにおける移動研究の論争からオッズ比が抱えている問題点を説明し、その後でオッズ比の変化と比率差の変化を同じ座標空間で検討する方法を与えている。また比率の絶対比に注目した指標とオッズ比の異同、それらのイデオロギー的な性格についても論じている。それより、オッズ比が移動研究者によって信じられているほど機会の不平等度を測定する客観的で公平な指標とは言えないことが示された。

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© 2001 数理社会学会
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