理論と方法
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原著論文
仕事の複雑性スコアの構成
―職務内容を反映した職業指標の提案―
長松 奈美江阪口 祐介太郎丸 博
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2009 年 24 巻 1 号 p. 77-93

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抄録

 職業は、私たちの社会生活に大きな影響を及ぼす要因の一つである。これまで日本では、職業指標として職業威信スコアやSSM職業8分類が用いられてきた。しかし、職務内容を反映した職業指標はあまり利用されてこなかった。本稿では、仕事の複雑性に注目し、そのスコアを構成した。
 Dictionary of Occupational Titles(DOT)第4版と、「情報化社会に関する全国調査(JIS調査)」のデータを用いて、合併コード、混合コード、DOTコードという三つの方法によりスコアを構成した。さらに、構成されたスコアを用いて、仕事の複雑性が、職業と関連が深い意識やライフチャンス変数に効果をもっているかを検討した。重回帰分析の結果、複雑性スコアは、個人収入や階層帰属意識、職業による不公平感に対して、職業威信スコアに還元できない効果をもっていることがわかった。この分析結果は、仕事の複雑性スコアの妥当性と有効性を示していると考えられる。

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© 2009 数理社会学会
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