2010 年 25 巻 1 号 p. 145-160
N人チキンゲームの設定において,プレイヤーの選好のタイプ,利得構造の違いを導入したとき,従来には指摘されていなかった均衡,ベイジアン・ナッシュ均衡が存在することを示す.本稿の理論は,N人チキンゲームの設定において,集団がチキンタイプ,熱意過剰-1タイプ,熱意過剰-2タイプによって構成されているとき,どのような均衡に到達するかを説明する.この理論は,N人チキンゲームの設定において,「k人だけが協力する」,k/Nという協力率以外の協力率を説明する.そして,この理論はColemanの「フリーライダーと熱意過剰行為者」の議論にベイジアン・ナッシュ均衡によって1つのフィニッシュ与えるものである.