理論と方法
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特集 階層帰属意識をめぐる新展開
線形結合モデルは科学的説明たりうるか
階層帰属意識研究における計量と数理の融合
浜田 宏
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2012 年 27 巻 2 号 p. 259-276

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抄録

 重回帰分析に代表される説明変数の線形結合モデルは,その適用において単純な数式による真の関係の近似という以上の積極的な根拠を従来持っていなかった.本稿では特定の条件下で,社会学的仮定から導出された数理モデルによって,線形結合モデルが基礎づけられることを示し,計量分析で用いられる統計モデルに対して,単なるあてはめではない理論的な根拠を与えることを目指す.具体的には階層帰属意識研究におけるFararo-Kosakaモデルと地位継承モデルが重回帰モデルの基礎付けとなり得ることを示し,階層帰属意識研究という文脈における,計量モデルと数理モデルの統合的な発展の条件を検討する.

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© 2012 数理社会学会
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