理論と方法
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Print ISSN : 0913-1442
原著論文
外国籍者への権利付与意識の規定構造
永吉 希久子
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2014 年 29 巻 2 号 p. 345-361

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抄録

 外国籍者に対する権利付与の支持についての研究では,包括的な「平等な権利」の支持か,社会的権利や政治的権利等のカテゴリごとの権利の支持が,分析の対象とされてきた.しかし,ある権利の支持がどのような含意をもつかを明らかにするためには,付与を支持する/支持しない権利の組み合わせに着目する必要がある.そこで,本稿では潜在クラス分析を用い,外国籍者に対する権利付与支持のパターンを描き出すとともに,その規定要因を検証した.分析の結果,外国籍者への権利付与支持は,全てに賛成または中間的回答を示す多文化型,全てに反対する排除型,地方参政権などの地方自治への参加の権利に否定的な周辺化型,生活保護などのセーフティネットの提供に否定的な自立型の4つに分けられた.日本人の意識における外国籍者の権利への包摂/排除のモデルを分ける軸となるのは,理論研究において重視される文化的権利への態度ではなく,セーフティネットの提供や地方自治への参加の権利に対する態度であった.また,これらの支持に対する,脅威の認識や社会経済的地位の説明力は小さく,外国籍者の権利からの排除の支持を生じさせる他の要因が存在することが示唆された.

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© 2014 数理社会学会
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