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理論と方法
Vol. 30 (2015) No. 2 p. 165-180

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http://doi.org/10.11218/ojjams.30.165

原著論文

 本稿では,日本・イギリス・アメリカの社会学の相違を,定量的な比較を通して検討する.具体的には,1)どのような方法がもちいられるか,2)雑誌論文と一般書籍のどちらがより引用されるか(これを引用文化とよぶ),という二点を各国における実証主義の強さの相違を表すものとして比較する.日英米の学術ジャーナル各2誌において2012年に掲載された論文をすべてサンプリングし,それらの論文で用いられている方法を4つに,文献リストに挙げられている文献を4種類に分類した.このデータから,引用文献数と,引用文献中の雑誌論文および一般書籍の割合を比較した.用いられる方法の種類,引用文献数,引用文献中の雑誌論文比をそれぞれ従属変数とし,他の変数を独立変数とする分析の結果,1)方法についてはアメリカにおいて経験的研究,とくに計量への指向が強く,2)引用文献の数は米英日の順で多く,引用文献中の雑誌論文の割合は米英において日本よりも高いことが分かった.以上から,イギリスの位置づけは明確ではないが,実証主義はアメリカでもっとも強く日本でもっとも弱い,という相違が確認できた.

Copyright © 2015 数理社会学会

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