理論と方法
Online ISSN : 1881-6495
Print ISSN : 0913-1442
特集 社会階層と家族
ロマンティック・ラブ・イデオロギー再考
―恋愛研究の視点から―
谷本 奈穂渡邉 大輔
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 31 巻 1 号 p. 55-69

詳細
抄録

 本稿の目的は,近代家族の理念の出発点ともいえるロマンティック・ラブ・イデオロギーが,現在どうなっているかを検討することである.ロマンティック・ラブ・イデオロギーの概要をふりかえった後,雑誌記事の分析および別れの語彙の分析から仮説を立てた.(1)ロマンティック・ラブ・イデオロギーは90年代以降に衰退し,(2)代わりに「ロマンティック・マリッジ・イデオロギー」と名付けるべきものがせり出してきている,という仮説である.量的データから,仮説(1)(2)とも検証された.またとくに,ロマンティック・マリッジ・イデオロギーは,若い女性や恋愛機会の多い人に支持されていることも分かった.ただし,ロマンティック・マリッジ・イデオロギーは,恋愛を解放しても結婚は解放しなかった.結婚へのハードルは高いものといえる.

著者関連情報
© 2016 数理社会学会
前の記事 次の記事
feedback
Top