脳と発達
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症例報告
複雑部分発作重積状態を呈したSturge-Weber症候群の1例
犬塚 幹太田 穂高小川 和則吉永 治美大塚 頌子
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2009 年 41 巻 1 号 p. 52-56

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抄録

 頭部外傷直後に意識障害, 右片麻痺を呈し, その後右半身けいれんの重積状態と複雑部分発作重積状態 (complex partial status epilepticus; CPSE) を起こした3歳男児を, 後に前額部の小さな淡紅色色素斑および頭部MRI所見からSturge-Weber症候群 (SWS) と診断した. CPSEの治療にはlidocaineの持続点滴が有効であった. その後複雑部分発作を繰り返し, 難治てんかんの様相を呈している. SWSではけいれん重積状態が認められることは知られているが, 頭部打撲後にCPSEをきたしたSWSの報告はなく, CPSEはSWSにおいて注意すべき症状と考えられた.

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© 2009 一般社団法人日本小児神経学会
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