脳と発達
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原著論文
小児難治性てんかんに対するケトン食治療の再検討
小国 美也子小国 弘量伊藤 進伊藤 康大澤 真木子
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2009 年 41 巻 5 号 p. 339-342

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抄録

 小児難治性てんかん症候群に対するケトン食療法の効果を後方視的に検討した. 54例 (男19例, 女35例) を対象とした. てんかん症候群分類, 施行時年齢, 経時的発作効果, 副作用を検討した. 発作消失を著効, 50%以上発作減少を有効とした. ケトン食療法施行年齢は生後6カ月から15歳 (中央値4歳), 持続期間は, 1カ月から最長7年で, 1年未満が29例 (54%) で半数を占めた. ケトン食療法開始後1年での著効例は10例 (18.5%), 有効例は19例 (35%) であった. 副作用として重篤なものはなかったが, 5例では有効にもかかわらずケトン食療法を維持することができなかった. ケトン食療法を長期維持するためには食事内容の改善が望まれた.

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© 2009 一般社団法人日本小児神経学会
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