脳と発達
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短報
結節性臭素疹を生じた乳児例
今井 由生渡邊 嘉章渡邊 聖子大塚 頌子
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2009 年 41 巻 6 号 p. 462-464

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抄録

 臭化カリウム (KBr) による結節性臭素疹 (bromoderma tuberosum) の乳児例を経験した. 症例は1歳1カ月の難治てんかんの小児. 種々の抗てんかん薬が無効であり, KBrを使用した. 使用開始6週後から両頬部と足背に膿痂疹が出現し, 急速に増大した. 抗生剤外用, 内服, 静注は効果がなく, 細菌・真菌・抗酸菌培養はすべて陰性であった. KBrの血中濃度は1,833μg/mlまで上昇していた. 臨床経過と皮疹の特徴, 生検の結果から結節性臭素疹と診断した. KBrの中止とステロイドの併用で皮疹は軽快した. Bromide内服中は皮膚症状に注意が必要である.

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© 2009 一般社団法人日本小児神経学会
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