2010 年 42 巻 6 号 p. 458-462
重症RSウイルス (RSV) 感染症を合併した症候性West症候群の2例を経験した. 9カ月男児はショック状態で, 1歳3カ月男児はプレショック状態で緊急入院した. 両者とも2週間前後の人工換気療法を必要とした. 原疾患によるけいれんは悪化し, 入院期間も長く患児と家族のquality of lifeは低下した. 長野県のRSV感染症疫学調査では入院患者238例中7例が神経・筋疾患児であり, 他の基礎疾患に比して人工換気療法施行率・罹患年齢が高く, 入院期間は長かった. 故に神経・筋疾患はRSV感染症重症化のリスク因子でありpalivizumabによる予防が必要であるが, 保険適応外であることや高価であることなどの問題を抱えている.