2011 年 43 巻 2 号 p. 110-116
急性脳症において脳波は注目がやや集まりにくい検査法であるが, その臨床において脳波が果たし得る役割は小さくない. 熱性けいれん重積と急性脳症との鑑別に脳波は有用で, 急性期に施行した脳波に異常を認めない場合には, 急性脳症である可能性は低い. 近年注目されているbright tree appearanceを呈する急性脳症においても, 脳波では発症後早期から高率に異常を認め, 早期診断に有用である可能性があり, 脳波異常の重症度は予後と相関する. Amplitude-integrated EEGを用いた持続脳波モニタリングでは, しばしばsubclinical seizuresが認められ, 病態への洞察を得ることができる.