脳と発達
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シンポジウム5:急性脳症の診療・研究最前線
急性脳症における脳波
奥村 彰久
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2011 年 43 巻 2 号 p. 110-116

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抄録

 急性脳症において脳波は注目がやや集まりにくい検査法であるが, その臨床において脳波が果たし得る役割は小さくない. 熱性けいれん重積と急性脳症との鑑別に脳波は有用で, 急性期に施行した脳波に異常を認めない場合には, 急性脳症である可能性は低い. 近年注目されているbright tree appearanceを呈する急性脳症においても, 脳波では発症後早期から高率に異常を認め, 早期診断に有用である可能性があり, 脳波異常の重症度は予後と相関する. Amplitude-integrated EEGを用いた持続脳波モニタリングでは, しばしばsubclinical seizuresが認められ, 病態への洞察を得ることができる.

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© 2011 一般社団法人日本小児神経学会
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