2011 年 43 巻 3 号 p. 183-188
ジストニアの外科治療は近年脳深部刺激の出現により長足の進歩をとげた. しかし, ジストニアは単一の疾患ではなく, 局所から全身まで広い症候を呈し, 発症年齢も小児から老年期まで様々であるので, ジストニアの外科治療として脳深部刺激だけを扱うのでは, この難問の解決にはいたらない. 書痙や痙性斜頸などの局所ジストニアから, 全身性までの多様な症状, 二次性の病因など多くの要素を考慮しながら, どのように外科治療を選択するのかという姿勢が重要である. ここで紹介するジストニアの様々な外科治療の効果を考えた場合, 多くのジストニアは少なくとも治療に関しては脳神経外科的疾患であるとも言える時代に入っている.