脳と発達
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総説
新生児低酸素性虚血性脳症に対するグリア細胞由来神経栄養因子による治療戦略
桂木 真司池田 智明池ノ上 克
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2011 年 43 巻 4 号 p. 265-272

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抄録

 新生仔ラットの脳内におけるグリア細胞由来神経栄養因子 (GDNF) の発現量は発達とともに変化する. 低酸素虚血負荷を与えたラットの脳内では結紮側の受傷部位において特にGDNFが増加する. 外因性のGDNFを脳に直接作用させるため, 細胞にGDNFの遺伝子を導入し, 半透膜製カプセル内に充填し, 大脳実質内に移植する方法を開発した. この方法は長期間, 低用量の薬剤を安全に供給できる特徴を持つ. 同方法を低酸素虚血負荷を与えた新生仔ラットに応用した. 梗塞面積は著明に減少し, 神経保護効果を持つことが示された. また, 同方法は低酸素虚血負荷後の記憶と学習障害に関しても長期にわたり優れた改善効果を示した.

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© 2011 一般社団法人日本小児神経学会
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