脳と発達
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短報
小児発作性疾患に対する長時間ビデオ・脳波同時記録検査の有用性に関する検討
平野 嘉子小国 弘量大澤 真木子
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2011 年 43 巻 4 号 p. 317-319

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抄録

 小児科領域では, 長時間ビデオ脳波を, てんかん発作型の決定と発作性疾患の鑑別目的に施行することが多い. 今回, 当科で本検査を施行した患者の後方視的調査を行い, 有用性についての検討を行った. 対象はてんかん発作を疑い, 2004年1月から2006年12月まで本検査を施行したのべ182例である. 検査にて, 11例 (6%) は別の発作型であり, 50例 (27%) は非てんかん性であると証明された. また, 非てんかん性のうち39例 (78%) に神経・発達障害が併存していた. 的確な診断は, 抗てんかん薬の過剰投与防止, 生活の質の向上, 家族への発作指導へと発展する. 以上より, 長時間ビデオ脳波は発作性疾患に大変有用な検査であると確認された.

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© 2011 一般社団法人日本小児神経学会
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