2011 年 43 巻 5 号 p. 367-371
7~12歳の注意欠陥/多動性障害 (attention deficit/hyperactivity disorder ; AD/HD) 男児22名および広汎性発達障害 (pervasive developmental disorder ; PDD) 男児19名と定型発達男児41名を対照群としてKiddie Continuous Performance Testを実施した. AD/HD群は対照群に比して, 見逃しエラーおよび反応時間の標準誤差が有意に高値で弁別精度が有意に低値であったが, PDD群は, いずれの指標においても有意差を認めなかった. さらに, AD/HD症状を伴うPDD群は, PDD群よりお手つきエラーが有意に高値で弁別精度が有意に低値であった. これらの成績はAD/HDの反応抑制不全に基づく特性を反映したものと推測された.