脳と発達
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症例報告
Topiramateがてんかん性スパズムの再発例に有効であった結節性硬化症の3例
野村 昇平島川 修一田辺 卓也福井 美保柏木 充玉井 浩
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キーワード: spasms, 結節性硬化症, topiramate
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2011 年 43 巻 6 号 p. 476-481

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抄録

 海外ではtopiramate (TPM) のてんかん性スパズム (ES) に対する有効性が報告されているが, 本邦ではまだ使用経験の報告は少ない. 今回結節性硬化症に伴うES再発例に対する著効例3例を報告した. TPM開始時年齢は, 症例1 : 17カ月, 症例2 : 14カ月, 症例3 : 16歳でいずれもhypsarrhythmiaを伴わないES (症例3は部分発作が先行) であった. TPMは0.5mg/kg/dayあるいは25mg/dayより開始し, ESはそれぞれ2カ月 (2mg/kg/day), 5カ月 (6mg/kg/day), 1週間 (25mg/day) で消失した. いずれも5カ月以上副作用なく継続できており, 症例2はTPM単剤治療が可能であった. ES発症時の治療としては, 効果発現までの期間を考慮するとACTH療法が優先されるが, このような再発例には試みる価値のある薬剤と思われた.

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© 2011 一般社団法人日本小児神経学会
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