単音, 単語, 単文からなる読み検査と読字障害の判定基準を用いて一般中学生 (2年生43名) のひらがな音読能力を調査した. 中学生の音読能力は小学6年生と比べて向上するとはいえなかった. 音読時間と読み誤り数から7名 (16.3%) を読字障害に相当する読みの困難さ (reading difficulties; RD) を有すると評価した. RD群のうち3名は, 単音と単語の読みに困難さを有していたが, 単文の読みに問題を認めず, 単音読みに頼らない読み方略を発達させていると考えた. RD群と非RD群で, 学習面の自己評価, 自尊感情, 抑うつ度に有意差を認めず, 読みの困難さは直接的には自己評価や抑うつに影響を与えないと考えた.