脳と発達
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シンポジウム4 重症心身障害児―この子たちの24時間の医療と生活をどうケアし支えていくか―
医療の連携の視点から
冨田 直小沢 浩
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2012 年 44 巻 3 号 p. 193-198

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抄録

 当院と東京都多摩地区の在宅重症心身障害児 (以下, 重症児) 医療の現状について述べた. 在宅重症児の地域医療連携のために2008年多摩療育ネットワークが発足した. 院内では, 主に在宅移行支援を目的とした多職種参加のチーム医療を行っている. 重症児医療施設が他地区と比較して恵まれている多摩地区であるが, レスパイト施設の不足や地域医療機関との連携不足など在宅重症児医療が抱える問題点は多い. 今後, その解決のために重症児医療の標準化や, 成人医療機関も含むより大きな地域医療連携が必要である. また, 長期入所施設不足など解決困難な課題にはネットワークや学会など組織による長期的視点を持った行政への働きかけが必要である.

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© 2012 一般社団法人日本小児神経学会
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