脳と発達
Online ISSN : 1884-7668
Print ISSN : 0029-0831
ISSN-L : 0029-0831
原著論文
発達障害児の養育に困難感を抱く母親に対するペアレントトレーニングの効果
本山 和徳松坂 哲應長岡 珠緒松尾 光弘
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 44 巻 4 号 p. 289-294

詳細
抄録

 注意欠陥/多動性障害 (以下AD/HD) 児12名, 広汎性発達障害 (以下PDD) 児12名 (7名はAD/HD症状を伴う) の計24名の母親に対してペアレントトレーニング (以下PT) を行った. PT後には, BDI-IIによる母親の抑うつ度は低下し, 養育自信度は22名で上昇が得られた. 小児行動チェックリストによる児の行動評価では全ての行動尺度において改善が得られたが, 中でも, 「ひきこもり」, 「身体的訴え」, 「攻撃的行動」, 「外向尺度」においては有意な改善が得られた. 対応に苦慮された児の行動は, 19名で改善, 5名で持続していた. PTは養育に困難を感じる親の抑うつ度を軽減すると共に, 養育自信を高め, さらに児の行動改善に有効であった.

著者関連情報
© 2012 一般社団法人日本小児神経学会
前の記事 次の記事
feedback
Top