2012 年 44 巻 4 号 p. 311-314
小児神経専門医のてんかんキャリーオーバー診療の現状をアンケートによって調べた. 小児神経専門医が診療しているてんかんの27%が成人患者であり, 中には高齢てんかんも含まれていた. 小児神経専門医の76%が成人てんかんの診療に困難を感じており, その理由の主なものは, 精神・心理的合併症, 内科的合併症, 近くに入院施設がない, の3つである. 以上からキャリーオーバーは切実な問題であり, 成人科への転科を妨げる因子を解決することが必要である. 日本小児神経学会と日本てんかん学会が, 日本神経学会, 日本精神神経学会, 日本脳神経外科学会の3学会と連携活動を行うことが肝要であると考えられた.