2012 年 44 巻 5 号 p. 374-377
【目的】経管栄養を行っている低アルブミン血症の重症心身障害児 (者) (以下, 重障児 (者) ) において, 血清カルニチン値を検討する.
【方法】対象は島田療育センター入所中で経管栄養のみ行っている重障児 (者) のうち血清アルブミン値が3.4g/dl以下であった21名である. 身体計測, 血液検査, 血清カルニチンを測定した.
【結果】19名において総カルニチン値が基準値未満 (基準値45~91μmol/l) で, valproate sodium (VPA) 内服群では非内服群に比べ有意に総カルニチン値が低下していた.
【結論】経管栄養のみの重障児 (者) で特にVPA内服時は2次性のカルニチン欠乏に陥りやすいため, カルニチンを日常的に補充し, Fanconi症候群などの欠乏症状の早期発見のため定期的な検尿の必要がある.