12歳から無呼吸発作を繰り返したX連鎖αサラセミア・精神遅滞 (ATR-X) 症候群の1例を報告した. 発症時の検査では, 簡易ポリグラフおよび喉頭ファイバーによる上咽頭の狭窄と喉頭軟化症の所見から閉塞性無呼吸と診断した. 1年半後の再評価では, 閉塞性無呼吸に加え, 中枢性無呼吸や混合性低呼吸の混在が明らかになった. ATR-X患者で無呼吸発作についての検討は少ない. ATR-Xに合併する無呼吸の原因として喉頭軟化症を考慮すべきである. また, 経過中に無呼吸の原因が変化する可能性があるため, 無呼吸の原因に応じた治療法を選択することが重要である.