脳と発達
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テーマ企画4:自己免疫性脳炎Up-to-Date:自己免疫性脳炎の診断と治療
抗NMDA受容体脳炎の臨床像と治療戦略
飯塚 高浩
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2013 年 45 巻 2 号 p. 115-120

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抄録

 抗NMDA受容体脳炎は, NR1 subunitの細胞外成分に対する抗体を有する脳炎である. 腫瘍は全体の39%に認め, 12歳以降の女子では54%と半数以上に腫瘍を認め, そのほとんどは卵巣奇形腫である. 典型例では, 感冒症状に引き続く著明な精神症状で発症し, けいれん, 無反応, 低換気, 不随意運動および自律神経症状が数カ月~1年以上持続する. シナプス後膜NMDA受容体数が減少し, 精神神経症状が発現する. ステロイドパルス, 免疫グロブリン大量療法および血漿交換が第1選択治療であるが, 難治例ではrituximabやcyclophosphamide大量療法を用いる. 腫瘍随伴例では早期腫瘍切除と免疫療法が推奨されている.

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© 2013 一般社団法人日本小児神経学会
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