抄録
【目的】新規のひらがな読み訓練プログラムを開発し, 発達性ディスレクシア (DD) 児の読み書き能力に対する短期効果を検討した.
【方法】15名のDD児が自宅において, パソコン画面に提示された単音・無意味語を音読する訓練と有意味語の音読訓練を, それぞれ21日間連続で行い, 訓練前後の読み書き能力の変化を比較検討した.
【結果】訓練後にひらがな読み検査の速度が改善し, 単音読みの誤数が減少した. 特殊音節を含む単語の書字能力の改善を認めた.
【結論】特殊音節を含む単音や単語のデコーディングを意識した読み訓練は, 発達性ディスレクシアの導入期の訓練に有用と思われた.