2014 年 46 巻 1 号 p. 10-15
【目的】発達期脳病変による運動障害においてときに観察される, 全身の緊張が長時間持続する状態を「持続的筋収縮状態」と定義し, その臨床像を明らかにする. 【方法】診断基準を満たす66症例を後方視的に調査した. 【結果】早産核黄疸の症例では非対称性姿勢をとり, 姿勢保持や快刺激で症状の緩和を認めた. 他の症例は基底核・視床と大脳の両側広汎性病変が中核であり, 後弓反張位が多く, 姿勢保持や刺激による症状の変動は少なかった. 【結論】痙性・ジストニア・固縮などの既存の分類では説明困難な, 不随意的で半持続性の全身性筋過活動状態である持続的筋収縮状態を呈する症例が一定数存在し, 複数の発症機序が想定された.