脳と発達
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シンポジウム10:難治性てんかんの病態を探る:分子遺伝学,病理,免疫,代謝異常,画像,電気生理
難治性てんかんの病態を探る
—脳炎後てんかんと免疫—
髙橋 幸利山口 解冬
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2014 年 46 巻 3 号 p. 195-201

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抄録

 代表的な難治性てんかんとして, 脳炎後てんかんの臨床, 免疫, 生化学的特徴を検討した. 加療中の症例では, 発作頻度は月単位で, 知的障害, 精神障害などを併存する症例が多く, 脳炎急性期から数年経過した時期においても, 発作・知的障害が進行悪化すると推測した. 局在関連性てんかんでは髄液NMDA型GluR抗体が高値で, NMDA型GluR内在化, アポトーシス誘導作用等により, 病態に影響していると推測され, matrix metalloproteinase-9の増加, tissue inhibitor of metalloproteinase-1の減少による血液脳関門障害も病態に影響していると推測された.

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© 2014 一般社団法人日本小児神経学会
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