脳と発達
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症例報告
脊髄性筋萎縮症Ⅰ型患者における喉頭気管分離術施行例の検討
藤岡 智仁中野 広輔眞庭 聡
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2015 年 47 巻 5 号 p. 360-362

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抄録

 脊髄性筋萎縮症 (SMA) Ⅰ型では長期生存のために気管切開による人工呼吸管理が必須となるが, 気管切開には単純気管切開術と喉頭気管分離術のような気管切開+誤嚥防止術がある. 今回我々はSMAⅠ型患者に喉頭気管分離術を施行し良好な経過をたどっている3症例を経験した. 3症例の発症時期はそれぞれ日齢14, 2カ月, 1カ月半, 喉頭気管分離術施行時期は5カ月, 7カ月, 15歳5カ月, 診断から手術までの期間は1カ月, 3カ月, 15年であった. 3症例とも手術による合併症はなく術後誤嚥性肺炎は消失した. 喉頭気管分離術はSMAⅠ型に対する誤嚥防止術として有用であり, 患者とその家族のquality of life向上にも寄与していると考えられた.

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© 2015 一般社団法人日本小児神経学会
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