脳と発達
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症例報告
Chloramphenicolが著効した小児難治性細菌性髄膜炎の4例
森田 佳代阿部 裕一板野 篤志武者 育麻古賀 健史山崎 太郎山内 秀雄
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2016 年 48 巻 1 号 p. 29-33

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抄録

 小児への使用が稀となったchloramphenicol (CP) 投与によって治癒し得た難治性細菌性髄膜炎例を報告し, その小児適応について考察する. 症例は生後2カ月から1歳4カ月に細菌性髄膜炎と診断された4例で, 起炎菌はインフルエンザ菌3例, 肺炎球菌1例であった. 発症時の薬剤感受性試験で高感受性が示されたceftriaxone, meropenemないしpanipenem/betamipronは有効であったがいずれの症例も髄膜炎の再燃を認めたため, CP (100mg/kg/日) が第11病日から第58病日に投与が開始となり9日間から19日間投与された. CP投与後翌日から4日目までに解熱し治癒が確認された. 有害事象としては, 2例においてCP投与後に軽度の貧血が認められ, 投与中止により速やかに改善した. いずれの症例も神経学的後遺症は認められなかった. CPは小児難治性細菌性髄膜炎に対する抗菌薬の一つとして選択しうると考えられた.

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© 2016 一般社団法人日本小児神経学会
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