脳と発達
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短報
脳海綿状血管奇形の出血後に可逆性脳梁膨大部病変を呈した1例
勝又 薫田上 幸治松井 潔藤井 裕太相田 典子髙梨 潤一矢島 秀起
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2017 年 49 巻 5 号 p. 343-344

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抄録

 拡散強調像により多彩な疾患で可逆性脳梁膨大部病変を呈することが報告されている. 無熱性けいれん群発の2歳児で, MRI検査上, 亜急性出血病変を含む13個の脳海綿状血管奇形と脳梁膨大部病変の合併を認めた. けいれん発作はmidazolamとphenobarbitalで消失, 4日目のMRIで膨大部病変は軽快した. 以降, けいれんなく4歳時の脳波は正常範囲だった. 両者の合併報告は過去にないが, くも膜下出血の亜急性期での報告がある. 海綿状血管奇形に血液脳関門はなく, 正常白質においても血管透過性は亢進しているとされる. 浮腫をきたしやすい素因および出血で惹起された炎症により脳梁膨大部病変をきたした可能性がある.

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© 2017 一般社団法人日本小児神経学会
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