脳と発達
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<市民公開講座1:ダウン症児療育・教育現場の取り組み>
「ダウン症児の赤ちゃん体操」 と家族支援
総合診療への導入経験を通じて
小野 正恵
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2018 年 50 巻 2 号 p. 111-114

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抄録

 ダウン症児に対する家族の心配は尽きないが, とりわけ乳幼児期は歩行獲得までの運動発達が重要課題であり, 介入がない場合は脊椎の生理的彎曲が得られにくく, 反張膝, 下肢の外転, 外反扁平足など疾患特有の容姿をきたしやすい. 藤田弘子氏が発表した 「ダウン症児の赤ちゃん体操」 は, この姿勢や歩容の予防や改善と運動発達促進を目的とした早期療育法である.

 当科では2006年からダウン症児の総合診療に, この 「赤ちゃん体操」 を導入した. 定期的な総合診療を行いながら個別の運動プログラムを提供することで, よりきめ細かい対応が可能となり好評を得ている. 家族が自宅で反復実施しやすいため運動発達促進効果があり, 家族の心理支援と合併症の早期発見にもつながっている.

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© 2018 一般社団法人日本小児神経学会
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